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遺産分割を上手に進めるための手続としてはどのようなものがありますか

遺産分割を上手に進めるための手続としてはどのようなものがありますか

Q

父の死亡後,遺産分割について相続人同士で話し合い中ですがうまくまとまりません。遺産分割を進めるための手続としてはどのようなものがありますか。

A

遺産分割を進めるためには次の3つの手続きがあります。

1 遺産分割協議
相続が開始した場合,まず,相続人間で遺産分割に関する話し合いを行い,各相続人の具体的な取得物,取得割合等を決めていきます。これが「遺産分割 協議」です。ここで話がまとまれば,遺産分割協議書という文書を作成し,相続人全員が押印して,遺産分割協議成立の証とするのが一般的です。

2 遺産分割調停
もっとも,相続をきっかけに親族が争い始めることも珍しくなく,また,相続手続きには法的に難しい問題を含むため,相続人同士での協議が整わない場合もあります。こうした場合,家庭裁判所の「遺産分割調停」の利用が考えられます(家事事件手続法244条)。

調停は,2名の調停委員と家事審判官(裁判官)で構成される調停委員会が関与しますが,あくまで,相続人間の合意を目指す手続きです。遺産分割調停に関する詳細な流れは,「遺産分割調停の流れ」をご参照ください。

3 遺産分割審判
調停でも合意に至らない場合は,家庭裁判所に「遺産分割審判」を求めることができます。なお,調停を経ることなく当初から審判を申し立てることも可能です。

遺産分割の審判とは,家事審判官が,当事者から提出された書類や家庭裁判所調査官が行った調査の結果等様々な資料に基づいて具体的な遺産分割内容を決定する手続きです。

遺産分割審判の申立先は,調停を経ずに当初から遺産分割審判を求める場合は被相続人の最後の住所地,または相続開始地(死亡時の居住地)の管轄家庭裁判所(同法191条),調停を経ている場合はその調停を担った裁判所です(同法272条)。

審判に不満がある場合,即時抗告により不服を申し立てることができます(同法85,198条)。即時抗告は審判告知を受けた日の翌日から2週間以内にする必要があり(同法86条,民140条)この期間を経過すると審判が確定します(同法74条)。

確定した審判には決同様の効力があるため,審判に定められた具体的な義務が履行されない場合、審判を根拠とする強制執行が可能です。

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