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当相談所の解決事例example of the solutions

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事業の後継者の苦労を反映させた解決が出来た事例

事業の後継者の苦労を反映させた解決が出来た事例

若い頃から父親の事業を手伝い、安い給料で身を粉にして働いてきた。自分がいなければ事業は潰れていたと思う。また、父は引退後体を悪くしたため、生活費のために月々20万円程度を給与名目で渡しており、かつ私の妻が献身的に介護をしていた。事業は苦しいながらも何とか維持できていたが、父親が亡くなった後、姉から「遺産は2分の1ずつ分けるべきだ」という遺産分割調停を起こされた。姉はこれまで一度も家業を手伝ったことはない。 にもかかわらず遺産を2分の1ずつ分けるのはとても不公平だと思う。どうしたらよいか。

事件の進行

このように、家業の後継者が相続人の1人であるケースというのはよくあります。そのようなケースで問題になるのは、その後継者の特別の貢献で事業が維持できたような場合や、小遣いを渡していた場合にそれを遺産分割にどのように反映させるか、という点です。
法律的には、後継者のそのような貢献は「寄与分」に該当する可能性があり、「寄与分」に該当すればその分多く遺産をもらえるということになります。
「寄与分」に該当するかどうかは、親子の通常の扶養義務の程度を越えているか、介護行為が「特別の寄与」と言えるかどうか、寄与によって被相続人の財産の減少が防げたかどうかなど複数の点が問題となります。
本件では、調停において会社の帳簿などを基に給与名目での支払いを裏付けました。また介護の具体的内容については、介護事業者や病院などから介護資料を全て取り寄せてその点について詳細に立証をしました。
その結果、寄与分全てではないものの、ある程度寄与分を織り込んだ調停を成立させることが出来ました。

弁護士からのコメント

寄与分を主張する場合、法律的な争点ももちろんあるのですが、「そもそもお金を渡していたのか」「介護はどのような内容だったか」を直接裏付ける資料がないこともかなりあります。相続問題が生じることなど、当時は意識していないためです。

本件の場合は、給与としてお金を渡していたことから、会社の帳簿などの裏付資料があったのは幸運でしたし、介護の内容についてもかなり詳細な介護資料がありましたので、その点について粘り強く調査した結果、立証に成功しました。

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